WordPressの次になる?新しいCMS「EmDash」と、これからのWebサイトのセキュリティ
UPDATE 2026.10.27
Webサイトを運営するうえで、近年ますます重要になっているのがセキュリティ対策です。
AI技術の進歩によってWebサイトの制作や管理は便利になる一方、サイバー攻撃の自動化や手口の多様化も進んでいます。
そんな中、2026年に登場した新しいCMS「EmDash(エムダッシュ)」が注目を集めています。
今回は、EmDashがどのようなCMSなのか、従来のWordPressとは何が違うのか、そして今後のWebサイト運営にどのような可能性をもたらすのかを紹介します。
そもそもCMSとは?
CMSとは、専門的なプログラミング知識がなくても、Webサイトの記事や画像などを管理・更新できる仕組みのことです。
世界的に普及している「WordPress(ワードプレス)」も、その代表的なCMSのひとつです。
CMSを導入すれば、制作会社に毎回依頼しなくても、自社でお知らせを掲載したり、ブログを更新したりできます。
ただし、CMSは一度導入すれば終わりというものではありません。安全に使い続けるためには、定期的な更新や保守管理が必要です。
WordPressを取り巻く「PHP」とセキュリティの問題

WordPressは非常に便利で、長年にわたって世界中で利用されてきました。
一方で、運用上の課題もあります。
そのひとつが「PHP(ピーエイチピー)」というプログラミング言語のバージョン管理です。

WordPressはPHPを利用して動作しており、PHP自体も定期的に新しいバージョンが公開されています。
古いPHPを使い続けると、セキュリティ上の問題が修正されなくなる可能性があります。しかし、新しいPHPに更新すると、今度は古いテーマやプラグインが正常に動作しなくなることもあります。
つまり、安全性を保つための更新が、Webサイトの不具合につながる場合もあるのです。
また、WordPressには機能を追加できる「プラグイン」が豊富に用意されていますが、これも注意が必要な部分です。
便利な反面、プラグインに脆弱性が見つかった場合、そこを狙って不正アクセスや改ざんが行われることがあります。
もちろん、WordPressそのものが危険というわけではありません。適切な管理を行えば、現在でも十分に実用的なCMSです。
ただ、機能が増えるほど管理すべき部分も増え、運用に一定の知識と手間が必要になるのは事実です。
新しいCMS「EmDash」とは?
EmDashは、インターネットインフラやセキュリティサービスで知られるCloudflare(クラウドフレア)が開発した、オープンソースのCMSです。
2026年に登場し、WordPressの「精神的な後継」とも位置付けられています。
EmDashの大きな特徴は、従来のWordPressとは異なる技術で設計されていることです。
WordPressがPHPを中心に動作するのに対し、EmDashは「TypeScript」という言語と「Astro」というWebサイト制作技術をベースにしています。
そのため、EmDash自体の運用にPHPは必要ありません。
PHPのバージョンアップによってWordPressやプラグインとの互換性を心配する、といった従来の問題から離れられるのはメリットといえるでしょう。
ただし、EmDashにも独自のシステムや関連ソフトウェアの更新は必要です。保守管理そのものが不要になるわけではありません。
EmDashはセキュリティに強いの?

EmDashが注目される理由のひとつが、プラグインの安全性を意識した設計です。
WordPressでは、プラグインがシステムの重要な部分にアクセスできる場合があり、脆弱性がサイト全体に影響することがあります。
これに対しEmDashでは、プラグインを独立した環境で動作させ、必要な権限だけを与える仕組みを採用しています。
例えば、記事の情報を読み取るためのプラグインに、Webサイト内のあらゆるファイルを操作する権限まで与える必要はありません。
EmDashはこうした権限を制限することで、万が一プラグインに問題が発生した場合でも、被害が広がりにくい構造を目指しています。
これは、セキュリティ対策を後から追加するのではなく、最初からシステムの設計に組み込むという考え方です。
AIによるサイバー攻撃にも対応できる?
近年はAIを利用した攻撃手法の高度化も懸念されています。
脆弱性を探す作業や、不正アクセスを試みる処理が自動化されれば、攻撃を受ける機会も増える可能性があります。
EmDashの仕組みは、こうした攻撃に対しても一定のメリットが期待できます。
特に、プラグインの権限を制限する設計は、攻撃者が脆弱性を悪用した場合の被害を抑えるうえで有効な考え方です。
ただし、EmDashがAIによる攻撃を自動的に防いでくれるわけではありません。
管理者アカウントの乗っ取り、設定ミス、システム自体の脆弱性など、CMSの種類にかかわらず注意すべき問題は残ります。
「新しいCMSだから安全」という単純な話ではなく、攻撃を受けることを想定した設計が取り入れられているという点が重要なのです。
EmDashでできること

EmDashには、一般的なCMSに求められる機能が用意されています。
– お知らせやブログ記事の作成・更新
– 固定ページの管理
– 画像などのメディア管理
– カテゴリーやタグによる情報整理
– 複数の担当者による記事管理
– 下書き保存や公開予約
– プラグインによる機能拡張
– AIツールと連携したコンテンツ管理
また、WordPressから記事や画像などを移行するための機能も用意されています。
特に興味深いのが、AIとの連携です。
EmDashはAIエージェントと連携できる仕組みを備えており、記事の管理やWebサイトの構築・改修などをAIに支援してもらうことも想定されています。
今後、AIを活用したWebサイト運営が一般的になれば、こうした仕組みが大きな強みになるかもしれません。
EmDashを使ってみるには?
EmDashは無料で利用できるオープンソースのCMSです。
まず操作感を確かめたい場合は、公式サイトに用意されている体験環境を利用するのが簡単です。
EmDash公式サイト
ブラウザで試せる体験環境
実際のWebサイトとして公開する場合は、専用の環境構築が必要になります。
EmDashはCloudflareのサービスを利用して運用できるほか、対応するNode.js環境でも動作します。
なお、WordPressのように一般的なレンタルサーバーへファイルをアップロードするだけで、誰でも簡単に導入できるとは限りません。
記事を更新する管理画面は一般の担当者でも利用できますが、導入やデザインの構築については、現時点ではWeb制作会社や技術者のサポートがあると安心です。
WordPressから乗り換えるべき?

EmDashは魅力的なCMSですが、すべてのWebサイトでWordPressから乗り換える必要があるわけではありません。
WordPressには長年の実績があり、対応できる制作会社も多く、豊富なテーマやプラグインが存在します。
一方、EmDashは新しいCMSであり、今後の利用者や対応サービスの拡大が期待される段階です。
また、WordPressの記事データを移行できても、現在のデザインや独自機能をそのまま引き継げるとは限りません。
既存サイトを問題なく運営できているのであれば、急いで移行する必要はないでしょう。
ただし、新しくWebサイトを制作する場合や、将来的な保守管理の負担を見直したい場合には、EmDashも選択肢のひとつになると考えられます。
大切なのは「絶対に攻撃されないこと」より「何かあったときにどうするか」

ここまでEmDashの特徴やセキュリティについて紹介してきましたが、最後にお伝えしたいことがあります。
それは、どれだけセキュリティ対策を強化しても、リスクを完全になくすことはできないということです。
もちろん、ソフトウェアを最新の状態に保ち、不正アクセスを防ぐための基本的な対策は欠かせません。
しかし、あらゆる攻撃を防ごうと高額なセキュリティ対策を重ねることが、すべての企業にとって最適とは限りません。
特に、中小企業の一般的なコーポレートサイトであれば、費用対効果を考えた対策が重要です。
例えば、定期的にバックアップを取得し、万が一Webサイトが改ざんされた場合に、誰へ連絡し、どのように復旧するかを決めておく。
こうした準備も、立派なセキュリティ対策です。
さらに、顧客情報を扱うサイトでは、情報漏えいの有無を調査し、必要な報告や連絡を行う体制も求められます。
大切なのは、予防策をおろそかにすることではありません。
防ぐための対策と、被害が発生したときの備え。その両方を、Webサイトの規模や役割に応じてバランスよく考えることです。

EmDashのような新しいCMSの登場は、Webサイトの安全性や運用方法を見直すよい機会でもあります。
新しい技術を取り入れること自体が目的にならないよう、自社にとって本当に必要な機能や管理体制を考えていきたいものです。
初めての方へ
ワキザシが初めての方へのおすすめ案内です。
自社の現状診断からこれまでの制作実績まで気軽にご活用いただけます。
-
2分でスコア確認!「ホームページ健康診断」
今お使いのホームページの状態を、健康診断のように8つの質問でセルフチェック。その場で結果と改善のヒントが分かります。
診断してみる -
ホームページ制作ヒアリングシート
新規制作もリニューアルもOK!初心者でもどんなHPが作りたいかを自分でまとめられるWEB制作用のヒアリングシートです。
セルフチェックする -
ブランドって何?という方推奨「ブランディングカルテ」
事業の強み・お客様像・伝えたい想いを整理するカルテです。広報物をつくるその前に、方向性をご自身で確認しましょう。
カルテを見る -
ウェブサイトで困ったときは「WEBドクター」
サーバーやメンテナンス状況、セキュリティ、表示速度などをしっかりヒアリング。管理のお困りごとを整理します。
ウェブドクターを見る



